選挙制度 2017 10 15

 何年か前、小選挙区選挙を実施している国の識者(外国人)が、
「小選挙区制度は、日本に合っていない。
日本は、小選挙区制度をやめるべきだ」と言っていましたが、
私も、「正に、その通りだ」と思いました。
 そもそも、小選挙区制度とは、政策を競うものです。
つまり、政策を同じくする者が集まり、
政党を作って、政党間で政策を競うのです。
 にもかかわらず、日本においては、
政策ではなく、人情や情緒を競う選挙となっています。
これは、小選挙区選挙の趣旨を逸脱しています。
 どうしても、候補者の人格や人情を競いたいならば、
中選挙区制度に戻すべきです。
 確かに、人情や情緒は、日本文化を高める要素であり、
日本社会の美徳でしょうが、
選挙においては、冷徹に政策を競うべきです。
 それから、もう一つ言っておきたいことがあります。
そもそも、衆議院選挙とは、実質的に首相を選ぶ選挙です。
 だからこそ、「我々が勝てば、この人が首相になる」と明示して、
選挙戦を戦う必要があります。
 誰が首相になるか明示しないままイメージで選挙を戦うのは、
政治的には、ルール違反です。
 日本が、このような「情緒選挙」になってしまうのは、
マスコミに原因があります。
 日本のマスコミは、政策を検証する報道番組では視聴率が取れませんので、
どうしても、人情や情緒を報道する番組を作ってしまうのです。
 日本のマスコミは、視聴率が取れるとなると、
見境がなくなってしまうのが大きな欠点です。

書評 book review 「TV」 2007 4 30

書 名 テレビは日本人を「バカ」にしたか?
     大宅壮一と「一億総白痴化」の時代
著 者 北村 充史  出版社 平凡社新書

 最近の低俗なテレビ番組を批判する時に、
よく使われる有名な台詞、
「日本人一億人が総白痴となりかねない」という言葉について、
「テレビの歴史」という視点から論じた本です。
 この本で興味深いのは、若き日の田中角栄郵政大臣が登場することです。
「低俗番組追放と放送法の改正」というところで、
田中角栄郵政大臣の発言が出てきます。
(以下引用)
 「最近巷間にテレビジョンは、
一億総白痴化するものであるなどと言われているのは、全く遺憾でありまして、
わたくしは、テレビジョン放送局の予備免許をいたした際にも、
じゅうぶん、この点に留意し、各放送会社に対し、
番組の編成にあたっては、娯楽に偏重しないように、
教育教養をも、じゅうぶん考慮すべきことを要望した次第であります」
(「キネマ旬報『テレビ大鑑』に寄せる」)
 「商業放送に対しては、全放送の三十パーセントを、
教育・教養番組にあてるよう条件をつける。
娯楽や青少年番組は午後十時までに終わらせる。
これらを守るべく、各放送局は自主的に放送番組審議会を設けるべきだ」
朝日新聞 昭和三十二年八月二十一日付
 「一億総白痴化」の元凶である低俗番組、俗悪番組をなくして、
青少年を保護すべきというのが行政のもうひとつの課題だった。
(以上引用)

























































スマートフォンのトップページへ